■ 三代目レビュー アドベンチャー 19 | ||||
Ayaのホームページへようこそ! | S_ _E |
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ジャンル [ ネットサーフィン型探索ゲーム ] 作者 [ 苺いちえ さま ] 容量・圧縮形式 [ 11MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ マウスとキーボードで操作・ゲームパッドは未対応 ]
[ 第17回 WOLF RPGエディター コンテスト 総合1位 ]配布元 ![]()
昔懐かしのホームページ…それは2025年の現実ではなく、2002年のこの舞台でも。
2002年…当サイト「フリーソフト超激辛ゲームレビュー」すらできたてホヤホヤの時代。「あなた」はそんな時代のネットユーザである。
ある日、「あなた」はオカルト関連のメールマガジンから1つの噂を目にする。「自殺した学生が運営していたWeb日記が、死後も更新されていた」という噂である。
その噂から、「あなた」はある一つの個人運営サイトにたどり着いた。「Ayaのホームページへようこそ!」…その名の通り、「Aya」というハンドルネームの女子大生が運営していた日記サイトである。
そう、そのサイトは、2025年の今現在では考えられないほどの…2002年当時でも危ういレベルの…個人情報ダダ洩れのサイトであった。そして、そのサイトには少なからぬ奇妙な点があった。
途中から明らかに書きぶりが変わる日記、スクロールバーがやけに長いNot Found画面、BBSにたむろしていた常連3名…
このサイトに隠された秘密とは…そして「Aya」はどこにいるのだろうか…。本作は、第17回 WOLF RPGエディター コンテストで総合1位を獲得した謎解きADVです。その評価を得た要因は、様々な意味での「作りこみ」。
1つ目は、2002年当時のWebおよびWindowsデスクトップの再現度合。アイコンなどは細かく変えてはいるものの、私を含めた当時を知るプレイヤーには「あったなぁ、こういうページ」という郷愁を常に感じるほどの再現度合です。
2つ目は、細かい情報とその利用方法の多さ。本作はブラウザ(風のプレイ画面)で進めるアドベンチャー。最後には「犯人」をメールで名指しするクライマックスが待っています。それ故に、「犯人となりうる個人名」も各所に散らばっています。
BBSの常連だった「ゆぅりん」「紅茶」「†宵闇翡翠†」…特に†宵闇翡翠†は、Ayaとオフでの付き合いがある様子。
Ayaの母校で起きた「桜井先輩」の事故死
リンクからつながる怪しい占いサイト
これらの「怪しい個人名」はすべて「犯人」として名指しできます。それらへの反応も…明らかな誤答であっても…すべて作りこまれているのです!
当然、「正解」にたどり着くには、あてずっぽで名指しするわけにはいきません。BBSなどから分かる隠しページの存在…そこを見るためのパスワード…隠しページを見てもなお切欠すらつかめない真相…時にはメールや「?」ボタンでのヒントも必要となります。
その「解答法」はヒントが些細で、数多用意された「ページ」を駆けずり回って少しずつ集め、結び付けていく必要があります。分からない場合も「?」ボタンで答えに近いヒントが得られるため、逐一頼りにしましょう。
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そのため、私はENDコンプのためにさんざん苦労しました。特に苦労した箇所が、意外にも最初のインターネット接続画面。本作のような「PC画面を用いたFound footage」だと「持ち主のユーザIDを割り出す」と連想する場面です。
しかし、その連想は本作では大いなる過ち。ユーザ名に「Aya」と入力しても警告音が出るだけで一向に画面が進みません。「aya」と小文字にしてもダメです。
このインターネット接続画面、実は単なるプレイヤー名の登録欄。空欄および本作で登場する人物名を除き、大抵の名前は(それこそ「あや」「アヤ」でも)通ります。
そう、本作の画面は「Ayaもしくはその関係者のパソコン」ではなく、先述の通り「『あなた』のパソコン」なのです!
この点についての公式情報は、ReadMeに『「ユーザー名」の欄にプレイヤー名を入力して、ゲームを進行してください。』『ユーザー名に登場人物の名を入力できないよう仕様変更』と短く言及されているだけです。
その言及を見逃していた初見の私は、「他に固有名詞はないのか」と画面を探し回る羽目になりました。その中にあった「Aya」以外の唯一の個人名「苺いちえ(作者名)」を入力してやっとプレイできたのです。そのままずっと「本作は苺いちえ(作者)となってプレイするのか」と勘違いしたままEND4つコンプリートまで進めていたのです。
「自由入力欄と言う割に、入力不可の名前がある」理由は、当然ながら「犯人を名指す」ためです。先述の通り、本作で犯人として名指しできる固有名は数多くあります。当然、「あなた」自身も含みます。「あなた」と「同名の作中人物」を混同しないための措置なのです。この点は、作者様に連絡をして確認いたしました。
不幸にも「あなた」の名前が通らない場合は、「名無しさん」「Anonymous」「としあき」など「当時の匿名掲示板におけるデフォルト名」を利用すると、すんなりと物語に入れるでしょう。そんな思わぬ所で重要情報が漏れてしまう可能性のある本作、当然ながらあまり事前情報を仕入れずにプレイして欲しい作品です。
ホームページを見るだけでは「何が起こっている」どころか「何か起こっている」ことすら分かりづらい本作の舞台。「あなた」は全ての真相、全ての結末を見つけ出せるでしょうか!?
リストに表示されるENDは4つですが、BAD ENDを含めた「全ての結末」はかなり多く存在します。END4つのコンプリート…一通りのプレイを終えたら、作者様のホームページ(https://tenkoblog.blogspot.com/)、そこからリンクされている攻略情報・裏話をオススメします。
当然、ネタバレ満載なのでプレイ前・プレイ途中での閲覧はオススメできません!!
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ジャンル [ 短編探索ゲーム ] 作者 [ もみじまんじゅう さま ] 容量・圧縮形式 [ ダウンロード不要・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ GB Studio ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 2025.08.31現在、ブラウザ上でのみプレイ可能 ] 配布元 ![]()
2人の秘密は、洞窟の奥底に眠る…
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とある小さな村、そこには「成人の儀」と呼ばれる風習があった。1年に1度開かれる村はずれの洞窟の奥深くまで進む単純な儀式である。しかし、洞窟を進むものは神の力で「過去と向き合う」との噂があった。
その日「成人の儀」を迎えるのは2人。先行するセーレと、それに続くレティ。幼き頃を姉弟のように過ごした2人は、洞窟内で同じ過去を見る。
胸に何かの決意を秘め、無言で突き進むセーレ。セーレと過ごした日々に想いを馳せながら、おぼろげな過去に疑問を覚えつつ進むレティ。洞窟の果てにセーレとレティが見るものは…果たして神か真実か…。
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本作は20分ほどで読了できる探索アドベンチャー。そう、「左から右へ進むロードムービー型ゲーム」と一見思えますが、「オブジェクトを隅から隅まで調べる」レベルの探索が必要なゲームです。
そして、その探索による「物語の解明」こそが本作の醍醐味。セーレとレティは、ほぼ同じ道筋、同じ部屋を探索することになりますが、探索によって得られる情報は2人で大きく異なります。何しろ、セーレの反応はほぼ「…」のみ。非常に寡黙なのです。その分雄弁なのがレティ。彼女が調べることによって「セーレが見たものは何だったのか」が分かる仕掛けになっています。
ただし、調べるものの中には「前半のセーレで掘り起こしておかないと、後半のレティは見つけてくれないもの」が多数…意外なほどに多数存在します。そして、それがENDの分岐条件となっています。どうしても初見では見落としがちな条件であるため、END2→攻略ヒントを見てからEND1 (True END)と見ることになるでしょう。
ENDの条件については攻略チャートがリンクにありますし、「隈なく調べる」などヒントを得られればすぐに分かります。
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そして、本作のさらなる魅力が、細やかなドット絵。本作はGB Studioで作られたにしては非常に「カラフル」な作品です。「赤」と「緑」…セーレとレティのパーソナルカラーを、ワンポイントとして効果的に利用しているが故です。
細やかに動く2人のリアクションを楽しみながら、その2人の行く末がどうなるのか、2つのENDをお楽しみください。